再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
セーラの顔が真っ赤に燃え上がる。そんなにわかりやすいものかと頬を擦ってみるが自分の顔を見ることはできず、そんな字は消してしまいたいと顔を擦ってみるがそういうことではなかった。
マオはドレスアップにより大胆に素肌が晒された細い肩を優しく押して、ドアに押し付けた。
セーラの素肌にマオの手が触れる。それだけでマオの琴線に触れる。我慢し続けてきた糸がどの瞬間に弾け飛んでも不思議ではなかった。
「セーラお願い」
マオはセーラの顔の横に手をついて、セーラの額に額をくっつけて懇願した。泣き出しそうなせっぱ詰まった苦しい声だった。
「今のセーラの気持ちを、僕に教えて」
いくらマオのお願いでも、セーラは答えられない。だってこんな子どもみたいな醜い嫉妬を晒す必要なんてどこにもない。
額と額を重ね合わせたマオは、セーラの鼻先に鼻先を何度も触れさせる。
「セーラ、僕、セーラの許可がないと動けない」