再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
ふにゃふにゃの顔で蕩けてマオが笑うと、セーラもクスクス笑ってしまった。マオがセーラの緊張を解そうとわざと悪いことを言うのにも気がついていた。マオはどこまでもセーラのために行動する。
マオの唇に移ったセーラの淡い色の口紅を、マオがぺろっと舐めとった。
(口紅舐めちゃうマオ、えっちだぁ)
妙にえっちなその姿にセーラはスッと目を逸らした。
金色の瞳が輝く、麗しの色男マオが初キッスだなんて信じられなかった。けれど、セーラはマオの100年分のラブレターを思い出して納得する。
「マオが私以外にキスするわけないか」
「そうだよ?他の女なんて虫以下の存在でしかない。虫とキスしないでしょ?」
「魔王ジョークキレキレだね」