再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─

王城のパーティ会場に集まったものは動ける1割の人間の全てだ。


聖女を伴ってマオがパーティ会場に到着すると、玉座の前に立ったビンビンのキツく固い声が飛んだ。


「皆さん、聞いてください。

ついに石化魔王の正体を突きとめました」


上階の玉座前に立った召喚士の声に、パーティ会場の注目が集まる。セーラもマオに腰を抱かれたまま、ビンビンを見上げる。


(え、ビンビンちゃん気がついちゃったの?!何で?!)


セーラが重大な情報を漏らしたからだと、まるでわかっていない。セーラはドギマギマオの顔を伺うが、にこりといつも通り蕩けた顔だ。


厳しく眉を吊り上げたビンビンが、召喚士の杖の先をマオに突き刺した。


「100年もの間、マオ様は人助け魔公爵として人間を助けてくださいました。

しかし、それは全て虚言でした」

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