再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
赤いドレスになってしまったセーラの腰を抱いて、セーラの黒髪の頭頂にマオは頭をもたげて甘えて問うた。
(マオは最初からみんなを助けてあげるつもりなくせに、どうしてそう遠回りなことを言うの?)
マオには何か思惑があるのだろうが、賢過ぎるマオの考えていることはよくわからない。だが、セーラはこれだけはわかるのだ。
マオは、いい子だって。
「私も誰も傷つけないマオを、傷つけたことはとっても怒ってます。謝ったくらいで許しません」
ビンビンもデュオに腰を抱かれつつ、セーラが本気で怒っていることに、しゅんと小さくなった。
国王の顔色がサッと蒼くなる。100年の忠誠を無下にして、話も聞かずに一瞬の疑いで信頼をぶち壊した。国王の判断ミスだ。
(慈愛の聖女様もマオ様を傷つけられれば怒りますね。当然です)