再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
だが、当初マオが予想してよりも大洪水は長引いた。王城の中でも小競り合いが始まるようになった。
会議は常に魔公爵のマオが中心で、その会議の様子をドアの外からこっそりのぞくのがセーラのヒマつぶしだ。
「ねぇビンビンちゃんは会議に出ないの?」
「私は魔法での手助けを求められたときに出動します。政治には関わりません。ですが、マオ様は公爵でいらっしゃいますので政治の真っ只中ですね」
「マオ、ああいうの好きなのかな?」
「策略家でいらっしゃいますので、政治はとても向いておられますよね」
「そうね、裏で人を転がすのが大好きだからね」
たくさんの貴族の中で、国王の隣に座って外行きの笑顔を張り付けて、話の運びの悪い老人貴族に丁寧な嫌味を言うマオを見てると笑えてくる。
しっかり大人をやっている。