再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─

政治お仕事参観を終えたセーラは、ビンビンと一緒に王城内を散歩し始めた。大洪水の中、外には出られないので運動不足にならないように散歩は欠かせない日課だ。


「マオ、頑張ってるね。でも、この洪水はいつまで続くかな?食料の目減りがすごいってマオが言ってた」

「こればかりは、待つしかありませんからね」

(待ってたら、全滅なんじゃ……)


セーラは不安な言葉を飲み込んだ。王城の廊下の窓から見える外は、まだ人の高さほどの水位の水が流れ続けている。マオの魔法が無ければ、この王城はすぐにでも流されてしまう。


「マオ様はお疲れでしょうけど、聖女様なら、マオ様を癒して差し上げられますよね?」

「どういうこと?」

「まだ、純潔を捧げておられないのでしょう?こんな外にも出られない軟禁生活の中です。きっと喜ばれますよ」


もうズレない瓶底眼鏡の奥でビンビンがふふふと楽しそうに笑った。すっかり肩の力が抜けたビンビンは、瓶底眼鏡をしていても愛らしさが漏れ出している。


「それなんだけどね……」

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