再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
陽だまりの温かいソフォに座って混乱するセーラの膝に、マオはすり寄ってごろにゃん甘えた。
「セーラはわかんなくてもいいよ。ずっと僕といてくれたら、それだけでいい」
顔をすり寄せて、マオは膝枕を堪能する。
「あのクソガキ、エルトンが……」
ソファの前で仁王立ちするアイビンは杖を構えてブツブツ言い始める。
アイビンはマオが怖いなどと言っていたが、実社会でいじめられようとも非暴力、非服従の態度を貫くマオに信頼を置いた。今ではマオよりイジメに怒ってくれる。
「公爵に何度抗議しても効果がありません。笑えませんよ!本当に!」
「魔王だからって軽んじられると困るね」
セーラは悔しさを飲み込んで、膝に寝転んで甘える猫みたいなマオを撫で続けた。
「セーラ、僕が魔王でごめんね?」
マオは眉をハの字にしてくしゃりと顔を歪めて笑った。
セーラはしょげた猫みたいな顔をするマオの額を優しく撫でる。
そんなこと言わせてしまったことに、セーラの平たい胸がモヤモヤして痛んだ。マオは何も悪くないのに、生まれが彼に劣等感を与えてしまっている。