再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
マオが政治の中でイライラを溜めていることを理解して膝枕をオープンすると、マオがすりすりと膝に猫みたいに甘えてくる。マオは誰にも言えないことをセーラにだけはそっと吐露してくれる。
「洪水が終わる気配がなくて、そろそろ最終手段かなって思ってる」
「最終手段?」
「みんな石にして、僕だけが残る」
「マオだけ?」
セーラの膝枕に埋もれてやっと息ができるマオが、内に秘めた計画をセーラにだけ教えてくれた。
「僕、セーラにしか殺せないでしょ?餓死もしない。だから皆を石にして時間を止めて雨が止むまで僕が一人で待っていればいい。100年でも200年でも洪水が終わってから皆を元に戻すよ」