再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
「どう生まれるかは誰も決められない。
でも、生き方は決めることができる。マオはそれができてるからかっこいい!
優しいマオのこと、私は大好きだから!」
「ありがとう。僕も、セーラが大好き」
ごろごろとセーラの膝に甘えて金色の猫目を細めてマオが可愛く笑う。
「あの豚野郎をスライスしてポークディナーにする夢を毎日見てるから、僕は大丈夫だよ?」
「今日もマオの魔王ジョークが冴えわたる―!」
(聖女様、マオは本気ですよ)
きゃらきゃら笑うセーラに向かって、マオはにっこり笑う。マオの揺れる魔力を見て魔王ジョークがガチであることをアイビンだけが悟っていた。
マオには確固とした味方がいる。
だから世間がどうマオを攻撃しようとマオは折れなかった。
「心配しないで待っててね」
大丈夫と言い続けるマオを、セーラは見守るしかなかった。
(本当に大丈夫だよ、優しいセーラ。今は策略進行中なだけだから)
笑顔の裏でほくそ笑む4歳マオの腹の内は、誰も知らなかった。