再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
セーラが大人の女性としてわきまえた上で、にやにや笑う。
全然わきまえてなかった。
己での説明を愚策と感じたマオがデュオに目配せする。すると赤茶色の清楚な短髪を揺らしてデュオが滑らかに口を開いた。
指示の一つもなく、視線一つでデュオが動く。
「聖女様、マオ様は一度も結婚しておりません。さらに女性とお付き合いしたこともありません。義理の息子の私が保証いたします」
「息子にそんな必死に説明させるだなんて、なにかやましいことでもあるの?心配になっちゃう」
「ずっと好きな人がいるだけだよ」
マオの優しい笑顔でその話は締めくくられてしまった。
まさかマオに義理でも子どもがいるなんて信じられなくて、美丈夫なマオが長い間思い続けた人がいるのも意外過ぎた。
(アイビンのひ孫に、マオの義理息子、さらにマオの一途な恋?
時の流れが押し寄せてくるなぁ)