再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
丸くて黒い瞳をぱちくりさせたセーラが時の流れに追いつくのに必死でいると、瓶底眼鏡の召喚士、ビンビンが仕切り直した。
「改めまして聖女様、召喚が二度目とお聞きしました。再び来て頂き、ありがとうございます」
ビンビンの生真面目な挨拶を受けて、セーラは時の流れへ馳せていた思いを引き戻す。セーラはやっと気になっていたことを問うた。
「また呼ばれたってことは、何か困ってる?も、も、もしかして魔王が何かヤンチャなんかを」
セーラがマオが魔王として暴れてしまったから、マオの胸に楔を刺して殺すために呼ばれたのではという疑念が晴れなかった。
「はい、魔王が盛大に暴れております」
「や、やっぱり?!」
セーラがマオの膝の上で、マオをチラチラチラチラ見るが、マオはセーラに見つめられて嬉しいと微笑んでいるだけだ。セーラの心臓が五寸釘で脅されるくらいバクバクした。
「魔王は現在、この島国の人間の8割を石にしてしまっています」
「8割を石に?!」
あまりに大胆なヤンチャっぷりにセーラは大声を出してしまった。
「ま、ままマオ!私との約束はどうしたの?!まさか約束を破って人を傷つけるなんて!」