再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
セーラは現代社会にて普通にOLをしているだけのしがないアラサー女だ。
恋のコの字もないまま、ダラっとカフェ巡りして猫動画見て日々をそれなりに生きていた。寂しくも虚しくもなく、泣きたくなるくらい熱くなるものもなく、
ただただ平凡だった。
不満なんてなかったけれど、
意味なんてものもない。
(わざわざ異世界に来ても、私に意味なんてないか)
セーラはアイビンの話を思い出しながら、花畑の中でころころ無意味に石を蹴とばしていた。
蹴った石がピョンと跳ねたと思うと、いきなりギャア!とカン高い声が上がった。
「え?!何?!」
セーラが慌てて声の元に走って行くと、そこには赤ん坊が寝転がっていた。
無防備に、石の上に、布一つ巻かれぬままのすっぽんぽん。
正しく生まれたまんまの赤ちゃんだ。
「捨て子?!迷子?!」
「ギャアア!」
「ちょ、ちょっと待って、え、抱っこすればいいの?するから」
「ギャアアアア!」
「な、泣かないで痛かった?!大丈夫?!ごめんね!」