再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
「我々人間は総力を上げて石化魔王の尻尾を掴もうとしてきました。ですが、何もわからないままです。この60年人間の石化は止まりません」
「でもやっとセーラを召喚できた。今度はきっとうまくいくよ」
「そうです。聖女と魔王は引き合います。聖女様がいれば必ず尻尾を掴めましょう」
「私にそんな怖い魔王をやっつけるなんてできる?」
セーラは聖女が二度目とはいえ、前回はマオの子育てをしていただけだ。すでに大暴れ中の狂暴な魔王に楔を打つなどできるものだろうか。
セーラの胸に不安が湧くと、マオがにっぱり笑って背を撫でてくれた。
「そんな顔しないでセーラ。僕も手伝うから。言っとくけど僕、石化魔王になんて負けないくらい強いよ。見つけることさえできれば、僕とビンビンで必ず拘束できる」
「召喚士が魔王を拘束して、聖女様が止めの楔を刺すのが定石です」