再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
聖女様、目が潰れます
「マオ、どこに行くの?」
「とりあえず、国王様にご挨拶に。デュオに謁見の手はずをとらせておいたよ」
「国王様に謁見ね、でもこれで行くのはどうかしら?」
セーラはマオにお姫様抱っこされて移動中である。
王城ですれ違う人たち全員がギョッと目を見開いてから、仰々しく礼をしてくれる。マオが公爵として尊敬されているのはわかるが、全員がその女、誰?と聞きたそうな顔をしていた。
「セーラがいなくなりそうで心配だから、僕がセーラの足になりたいんだ」
「石化魔王がいなくなるまではいなくならないと思うんだけど」
「僕に抱っこされてくれないなら、セーラの足に魔法をかけて足を透明にする?そうすればずっと僕がセーラを抱っこして歩けるって思うんだけどどう思う?」
マオは王城内の石の廊下を正確に突き進みながら、姫抱っこ中のセーラに真剣に問いかけた。
「魔王ジョーク炸裂ー!」
(本気だよ?)