再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─

セーラには育児経験なんてない。


赤ん坊を抱っこするなんて結婚出産ラッシュの友だちの赤ちゃんを抱っこさせてもらったくらいの初心者だ。


ゆっくり手を伸ばして、柔らかくて小さな命に触れる。


抱き上げると小さいのに確かな重みがあって、柔くて頼りなくて愛しいあったかさが伝わった。


「ふわぁ……柔らかい」


不思議なことに、セーラが抱っこすると赤ちゃんはきゅっと口を噤んで泣き止んだ。


赤ちゃんは小さな目を見開いてセーラを見つめた。金色の瞳は吸い込まれそうなほど、美しかった。


「可愛い……」


セーラの人生で、これほど素直にこぼれた言葉はなかった。


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