再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─

デュオは一言も無駄口をきかず、セーラとマオの前にティーカップを置く。


「ありがとう、デュオ」


マオがデュオと目を合わせた瞬間、デュオが石になってしまった。


セーラが瞬きした一瞬で体の表面が石に変わり、無表情のままデュオが固まる。


「な、な、何したのマオ?!」


デュオがささやかにキラキラ金色に輝くのでセーラが絶叫した。マオが金色の瞳を瞬くと、デュオは何事もなかったように人間に戻って動き出した。

セーラは黒い目を見開き、余計なことを言わないように慌てて両手で口を塞いだ。


「デュオ、人払いをお願い。ビンビンにも今日はもう休んでもらって」

「かしこまりました」


一切のミスを犯すことなく、完璧に仕事をこなしてデュオは去った。あまりの何気なさにセーラの方が呆気に取られる。


(自分が石になったことすらわかってないの?)

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