再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
いい子で、一人で生きる侘しさは、セーラも知るところだった。マオの切実な想いに、胸が刺された。
「セーラが決めて?
僕に純潔を捧げるのか、
その手で僕を殺すのか」
セーラはビンビンに持たされた聖女の最強兵器「五寸釘」を持ち歩いている。マオの胸にぶっ刺して殺せば、石化魔法は解けて全て万事解決だ。
(マオに楔を刺して殺すなんてありえない)
セーラにはマオに楔を刺すなんて選択肢はなかった。
マオはセーラが生きてきて初めて感じた、生きる意味だ。
そんな可愛い子に当然、楔など刺せない。きっと、マオもわかっていてこの条件をふっかけて来ているはずだ。
(でも、マオは本当に、寂しかったんだ……死にたくなるくらい)