静穏総長も、時には激しく愛したい

「”俺を選ぶ”って? ”本番”って?

どうして澪音が、あんな顔をしてるのか。あんたは知ってるってこと?」

「うん。全部しってる。だから退院早々、ここに来た。君と話をするためにね」

「俺と……?」



疑問符を浮かべた俺の腕を、純白は更に引っ張った。

そして人の目に着かない場所へ移動するらしい。「こっち」と、どんどん人気のない路地裏へ移動する。


そして、移動を始めて十分後。

俺は、衝撃的な事実を聞く事になる――



「君は何も知らないだろうから、全て教えてあげる。その方が君のためだし、澪音ちゃんのためだ。

澪音ちゃんは、天下の若桜グループの一人娘。跡取り息子を得るため、卒業と同時に結婚をする。今は、お見合い準備の真っ最中だ」

「……は?」

「お見合い相手は、この俺。

澪音ちゃん本人から、正式に指名を頂いてね。近々、婚約する」

「!」



頭が、真っ白になった。


< 104 / 315 >

この作品をシェア

pagetop