静穏総長も、時には激しく愛したい
「いつもは静かなのに、大声を出したとこまでは合格。でも、自分の気持ちを素直に言わない子に、可愛い澪音ちゃんをあげるわけにはいかないな。
って事で、やっぱり俺がもらうね♪」
「……」
頭の中にあるのは、俺に唇を舐められた時、真っ赤な顔をした澪音。
――え、えぇ……っ⁉
あれだけの事で真っ赤になるんだぞ。キスなんて、ましてやそれ以上の事なんて――――
ギュッ
「……ねぇ千秋くん。拳に力こめるのやめてくれない? いつ殴られるかヒヤヒヤするんだけど」
「殴るわけないだろ。澪音の……大事な婚約者を」
予想外に大人しい反応を見せた俺を見て、純白は「はぁ」と。わざとらしいくらいにわざと、ため息をつく。
「最強ランキング三位なんて、やっぱ大したことないな。っていうか――
どうして強い奴って、女の守り方を知らないのかな」
「どういう……?」
すると呆れた顔をした純白は「教えてあげない」と、べッと短く舌を出した。