静穏総長も、時には激しく愛したい

「ふ、不法投棄……」

「……さっきも“銃刀法違反”とか言ってたけど、その正義感ナゾすぎ。

相手の神経を逆なでする行為でしかないから、やめときなって。

あんた”よく狙われる”みたいだし」

「!」



その時。

奏さんの言葉に、ギクッと体が反応し、私の動きが止まる。

もしかして、奏さん……私の事――



「そ、そうなんですよねぇ。私ってぼんやりしてるように見えるのか、なぜかよく絡まれるんですよ~」

「……」

「あはは~!」



呑気に笑う私を、奏さんがジッと見る。

その時の奏さんは、色素の薄い黒色の目が陽光を受けた時、灰色に見えて――


それが、とてもキレイだった。

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