静穏総長も、時には激しく愛したい
「……良かった。
ごめんふくちゃん、あったよ~」
ヨイショと、体を起こす。
すると――
「こんな小さなお弁当箱で、よく足りるね」
「へ……」
そこにいたのは、なんと。
ベンチに座り、私のお弁当箱を凝視する、
「か……、かな、奏さん!?」
なんでここにいるの!?
ってか、ふくちゃんは?
さっきまで一緒にいたよね?
マジック!?
その時。
スマホが震え、メールを受信する。
相手は……ふくちゃん?
『恋を終わらせるのはイイけど、きちんと納得してから終わりなね。今の澪音の顔を見ても、”終わった”とは思えないからさ』
「ふくちゃん……っ」
やっぱり親友ってスゴイ。ぜんぜん話していなくても、私の気持ちに気付いてくれるんだもん。