静穏総長も、時には激しく愛したい

「じゃあ、委員会いくわ。ダル―」

「明日は一緒に帰ろうじゃないか、ふくちゃん」

「もちろんだ。何を食べながら帰るか、今から考えておこうぞ」



冗談を言いながら、ふくちゃんとバイバイする。

私は澄を待っているのだけど……どうやら、今日は遅れているらしい。さっき焦った声の澄が、電話をかけてきた。



『絶対にお一人で帰らないでくださいよ!? 絶対ですよ!!』



だけど、そう言われたら、帰りたくなっちゃうもので。

一人で帰るなんて久しぶりだったし、たまには静かに帰るのもいいか。なんて。

そんな事を思った私は、教室を出て、帰路につく。



「ふわ~、ゆっくり帰るの、久しぶりだぁ」



のびー、と背伸び。

最近の帰り道は、いつも会社の事を澄と問題を出し合ってたからなぁ……。凝り固まった肩や腕を、思わずクイッと回した。


同時に、スマホがブブと鳴る。

さては澄かな? 怒ってたりして……⁉


内心ヒヤヒヤしながらスマホを見る。

すると――



「え?」


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