静穏総長も、時には激しく愛したい
見ると、純弥さんからの着信だった。
切れてしまわないよう、慌てて通話ボタンを押す。
「も、もしもし! 澪音です!」
『やっほー、澪音ちゃん? 純弥だよ』
「は、はい!」
『ふふ、そう緊張しないで。後ろ見て、後ろ』
「へ?」
言われた通りに、後ろを見る。
すると――
「純弥さんと、めっちゃカッコイイ男の人……」
背の高い二人が、並んで私の後ろに立っていた。
挨拶するために近づくと、二人のイケメン具合に思わず顔を逸らす。
な、なに、この美形集団……!
「澪音ちゃん、今から帰るの? あ、でも、いつもの執事くんがいないね」
「はい、少し遅れるとのことで」
「黙って帰ったら、怒られるよ?」
「やっぱり、そうですよね……」
あはは、と苦笑を浮かべる。
すると純弥さんと一緒にいる人が「おい」と。説明を求めるように、純弥さんを見た。
「あ、澪音ちゃん、紹介する。
コイツはB校三年、春風生吹。【月光】の総長だよ。最強ランキングって知ってる? あれの一位」
「!?!?!?」