静穏総長も、時には激しく愛したい
「あ……えっと、元気……なんだと思います」



まさか純弥さんから聞かれるとは思ってなかったから、ビックリした。

さっき教室から見た時、奏さんが調子悪そうだった事を思い出す。だけど、もう気にしちゃダメ。


奏さんのことは、忘れるんだ――



「奏……千秋……あぁ、三位の奴か。
この前会ったぞ、ピンピンしてる」

「え、ほ……本当ですか? 春風さん」

「うん」



うん、って。
なんか、かわいい……。


だけど、そうなんだ。さっき見たのは、たまたま調子が悪そうに見えただけなんだ。

なんだ、そっか……



「よかった……」

「……」
「……」



あ、ダメだめ。
こんなしんみりした空気を出しちゃ――

そう思っていた時だった。


ブーブー


私のスマホが鳴る。相手は、澄。

通話ボタンを押すと……


『今どちらに⁉』


いきなり怒鳴り声。校門に私がいないもんだから、かなり怒ってるぞ、これは……。
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