静穏総長も、時には激しく愛したい
「分かりました、学校に戻ります。では失礼しますね、純弥さん。春風さんも」
「うん。ばいばい」
「また」
二人とお別れし、重い足取りで学校へ戻る。
「はぁ、オニの顔をした澄の顔が浮かぶ……」
憂鬱に思っていた、
その時だった。
「み~つけたー」
「え……、んっ⁉」
曲がり角を曲がった途端、誰かに腕を引っ張られる。
そして大声を出す暇なく、
「捕獲ー、早く出せ」
「はい」
「ん~‼」
知らない車に乗せられ、何も抵抗出来ないまま。
私はどこかへ連れ去られた。
一方――
「あんなウソを、よく平気な顔でツラツラ言えるな」
「ウソって、何のことかな?」
白を切る純弥さんを、春風さんが目だけを動かして見る。