静穏総長も、時には激しく愛したい
「茶化してないよ。それに……俺はまだ諦めてないんだ」

「”諦めてない”……?」



どういう事だ、と。低くなった純弥さんの頭を、春風さんは見つめる。



「一人、くすぶってる総長がいたからさ。この前、焚きつけたんだ。その場では意気消沈してたけどね」


でも――と、純弥さんは目を閉じる。


「そんなどうしようもない後輩に、賭けてみたいんだ。

二年前、美月をお前に託したみたいに――可愛い後輩に、命運を任せるとするよ」

「……」



すると春風さんは「うっ」と。口に手を当てた。

何を言うかと思いきや――



「俺のこと”可愛い”なんて思ってるのか、白いの。……ムリ、吐きそうだ」

「お見合いさえなかったら、いくらでも痣つくってケンカするんだけどね。惜しいなぁ~」

< 135 / 315 >

この作品をシェア

pagetop