静穏総長も、時には激しく愛したい


「……見つけた」



それだけ言って、走りだす。

純弥さんも、澄も、春風さんも、夜野さんも――全員を、その場に置いてけぼりにして。



「え、ちょっと! 千秋くん⁉」

「……可愛い後輩を可愛がった結果が、逃げられたな」

「今そういうのいいから!」

「あ~、お嬢様ー!!」



無駄に背が高く、顔が整ってる集団の、なんとやかましい……いや、騒がしいことか。



「……はぁ。本当、恥ずかしいったらないよ」



この現場に同席していた”夜野”こと――

最強ランキング二位の夜野蒼羽さんは「赤の他人です」と、純弥さん達と距離を空け、無関係を装う。

そして一同が言い合っている間に、【月光】のメンバーへ素早くメールを送るのだった。

< 140 / 315 >

この作品をシェア

pagetop