静穏総長も、時には激しく愛したい
全総長、集合せよ
「あの日の決着をつけようか、夕暮嵐太」
「おいおい……、まさか春風がここに来るとはな」
春風さんの声を聞いた夕暮は、奏さんを殴ろうとした拳を止める。
と同時に、奏さんを囲む不良たちの輪に、切れ目が出来る。それにより夕暮と春風さんは直接、視線をぶつけ合った。
先に口を開いたのは、春風さん。
「反省しに街に戻って来たかと思えば、罪を重ねにきたのか。夕暮」
「違うな。俺がココに来た理由、それはお前を倒すためだ春風。あと、お前の金魚のフンの夜野蒼羽もな――
隠れてるのは分かってるんだ、出てこい」
「……」
すると建物の別の入り口から、一人の男の人が姿を見せる。
端正な顔立ちに、薄いブラウンの髪と白い肌。茶色の瞳は、ビー玉のように薄くキレイ。
あの人が、夜野蒼羽さん。
ふくちゃんが言ってた「最強ランキング二位」の人。