静穏総長も、時には激しく愛したい

「ハイ、嬉しいだろうけど、ここまで♪」



ひょい、と。
純弥さんに、私はお姫様抱っこされた。



「え、ちょ、純弥さんっ」

「澪音ちゃん、本当に無事でよかったよ。俺が近くにいたのに、連れ去られたなんて……。気が付かなくて本当にごめんね」

「そんな事……」



本当に申し訳なさそうに、シュンとした純弥さん。そんな、純弥さんが悪いわけじゃないのに……。



「私が、いけなかったんです……。澄のいう事を聞かなかったから」

「うん。なら今から、俺の後ろから絶対に出ないこと。あと、千秋くんにお触り禁止♪」

「えぇ⁉」



パクパクと、魚のように口を動く。

だって、奏さんはそこにいるのに!
触っちゃダメなの!?



「奏さんっ、」

「……澪音、行ってくる」



お姫様抱っこされている私を見て、なにか言おうとした奏さん。だけど唇を横へ引っ張って、口を閉じた。

え、き……気になるっ。
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