静穏総長も、時には激しく愛したい
「そういえば夜野。さっき【月光】に、なんてメールを送ったんだ?」
「え、」
春風さんからのいきなりの質問に、驚く夜野さん。少しどもった後「ターゲット発見・集合」と、ポツリと口にした。
短くても伝わる、的確な文章。
と、思いきや……。
「ダメだ。それだとアイツらは来ないぞ」
「……人が気を利かせて招集したってのに”ダメ”? 随分な言いぐさだね」
ギロリと睨んだ夜野さんを、春風さんは目だけを寄こして「知ってるだろ」と返事した。
「【月光】は、本当に緊急の時こそ、」
お祭り、ってタイトルにしないとな――
バキッ
すると、まるで本当に祭りが開催されたみたいに。開戦の火ぶたが切られた合図みたいに。
春風さんが、拳をふるった。
「ぐわ!」
「が――ッ⁉」
たった一度の攻撃で、一人じゃない、三人ほどの不良が地面に転がっていく。
え……なに?
春風さん、今なにをしたの⁉
すると、私の前にいる純弥さんが「うわ」と、げんなり顔。口元がひくついてるのが、後ろからでも分かる。