静穏総長も、時には激しく愛したい


その音に、思わず体がビクリと跳ねる。頭の中で、警察に連れて行かれるひかりを想像した。



「ひかりは……警察の人と一緒に行かないとダメなのかな?」



ポツリとこぼすと、春風さんが「一応な」と言った。



「だけど、話を聞くだけだ。それに孤児ってなら、いい施設を知ってる」

「ほ、本当ですか?」

「昔、美月もいた場所だ。そこの施設長は優しいと、太鼓判を押していたぞ」



生吹さんの彼女である美月さんが言うなら、間違いないんろうな。よかった……。

安堵の息を漏らす私から、ピッタリひっついて離れないのは……ひかり。



「澪音」

「あ、奏さんっ」
「――……」



私たちを交互に見た奏さんは……それはそれは深いため息をついた。
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