静穏総長も、時には激しく愛したい
「……」
「すー……」
「(同じ教室、隣の席……)」
私は一年。奏さんは二年。その一年の差は、どうしたって恋の壁になるわけで。
年齢が違うと、学年が違う。
学年が違うと、クラスも違う。
永遠に。
「(奏さんと同じクラスだと、こういう感じなのかな?)」
一度だけでも、同じ教室で過ごしてみたかったな――なんて。
そんな事を思いながら更に近づいた、
その時だった。
カタン、――――パシッ
「⁉」
「なんだ、澪音か」
近づこうとした時に体が椅子に当たってしまい、小さな物音が生まれた。
それは寝てる人にとっては無音に近い、はずなのに……奏さんは反応した。
寝ていても私の存在を察知し、手を伸ばして腕を掴む。敏感に、気配をキャッチした。