静穏総長も、時には激しく愛したい
*奏*
*奏*
「暴走族【青翠】の総長・千秋奏は、
総長の座を退き、族を抜ける。
そして【青翠】は――
今日をもって解散する」
そう言った時、俺の目に写ったのは、
「……〜っ」
地面に横たわったまま顔の上に腕を置き、悔し涙を流す睦の姿だった。
◇
時間は、少し前までさかのぼる。
――君の優しさってさ、君のためには使われないワケ?
そう純白に言われた日から、その言葉ばかりが頭の中でグルグル回った。
俺の優しさってなんだ?
俺へ優しくするって、どういう事だ?
その答えが出ないまま、無意味に過ぎていく毎日。
そんな中、ある人たちに出会う。
「あー! 千秋奏!」
「……ん?」