静穏総長も、時には激しく愛したい
*奏*





*奏*



「暴走族【青翠】の総長・千秋奏は、

総長の座を退き、族を抜ける。

そして【青翠】は――



今日をもって解散する」



そう言った時、俺の目に写ったのは、



「……〜っ」



地面に横たわったまま顔の上に腕を置き、悔し涙を流す睦の姿だった。







時間は、少し前までさかのぼる。



――君の優しさってさ、君のためには使われないワケ?



そう純白に言われた日から、その言葉ばかりが頭の中でグルグル回った。


俺の優しさってなんだ?
俺へ優しくするって、どういう事だ?


その答えが出ないまま、無意味に過ぎていく毎日。

そんな中、ある人たちに出会う。



「あー! 千秋奏!」

「……ん?」

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