静穏総長も､時には激しく愛したい

「……」



俺が守れる範囲に澪音がいてくれるなら全力で守る。

だけど、俺の手の届かない所にいる澪音を、どうやって守れって言うんだよ。


俺だって、守りたい。
守ってやりたい、けど……



「あの、千秋さん……て呼んでいいですか？」

「……あぁ、うん」



春風の彼女――立花が、俺に微笑む。「何か悩みごとがありますか？」の言葉とともに。



「悩み……？」

「何か思い詰めた顔をされているように見えたので……勘違いだったら、すみません」

「いや……」



立花はクレープを食べ終わり、食後のミルクティーを飲んでいた。室内とは言えクレープはやはり寒かったのか、両手をカップに添えている。

カップからのぼる温かい湯気が、俺の固まった顔を溶かしていく気がした。気が付けば「なぁ」と。話さまいと思っていた事を、俺は口にしていた。



「あんたって、どうやって春風と付き合ったの」