静穏総長も、時には激しく愛したい

「春風さんの暴走を止めた結果、付き合う事になったんですか?」

「暴走族の生吹くんと、一般人の私だと……住む世界が違うでしょ? だから、最初は手の届かない人って諦めてて。

だけど……生吹くんが一人がんばってる姿を見て、無茶でもいいから、私も生吹くんの隣で一緒に頑張りたいって。そう思ったの」

「!」



立花の話を聞いた時。

言いようのない塊が、ストンと。喉を通って、下に落ちた気がした。

その後は妙にスッキリしていて、頭が冴えている気さえする。



「……一つ、聞いてもいいか」



いきなりの申し出に、立花はコクンと頷いた。



「さっき、あんたはこう言った」


――無茶でもいいから、私も生吹くんの隣に立って、一緒に頑張りたい


「無茶してる時の自分を、なんて思った?」

「え……」

「諦めなかったのは、なんで?」
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