静穏総長も、時には激しく愛したい

「私の前では安心して大丈夫ですよ!って…、そういう意味ですっ」

「!」

「私は、奏さんの敵じゃありませんから」

「……ふっ」



すると、まるで「知ってるよ」と言わんばかりに。

奏さんは片肘を立て、その上に顎を置きながら。もう一方の手で、私の頭を撫でた。



「わゎ!」

「……さんきゅ」

「え、あ……はい」



「さんきゅ」という顔は、やっぱり穏やかで。

だけど夕日の光を浴びた瞳が、ガラスのようにキラリと反射して――

奏さんがまるで感動してるかのような、そんな顔に見えた。



「っていうか、なんでココに? 澪音は一年。ここ二年」

「細かい事はいいじゃないですか~。っていうか……!」



奏さん、さっきから私のことを「澪音」って呼んでくれてる⁉

そ、そんな甘酸っぱいこと、アリ⁉
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