静穏総長も、時には激しく愛したい

「キャー、奏さん! 私の事を彼女に、」

「しない」

「ブー!」



そんな予感はしてたけど。でも、例え「気まぐれ」でも嬉しいっ。



「飴と鞭、たまりませんね!」

「……先に帰るから」

「あぁ、待ってください! どうせなら一緒にー!」



ピンチの所を助けてもらったっていう、ありがちな恋のスタート。

でも思えば、私にとって中学生以来の恋。すっかり忘れていた、この胸キュンの感覚。

恋って……、やっぱり楽しい。



「……なに?」

「フフ、何でもありません!」



絶対に振り向かせてみせますからね――

なんて。そんな恋パワー全開で帰った、午後六時。


ただいま、二人でお外を歩いて、おうちに帰ってます。



「そういや、今の季節ってなんてゆーの?」

「それ、カーディガン着てる人が言っていいセリフじゃないですよ⁉」

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