静穏総長も、時には激しく愛したい
「”連れ去られた”って……もっとマシな言い方ないの?」
「なぜ心の声を⁉」
「ダダ洩れだっての」
呆れたようにため息をつく……かと思いきや。
奏さんは、口の端をクイッと上げた。
それはジェットコースターが一番高い所まで行くように、ジワジワとゆっくりな動きで。
一体、どこまで上がるんだろうって。そんな事を思った、
次の瞬間だった。
「……ぷっ! 澪音、本当にばか」
「っ!」
「くく……っ」
奏さんはなぜか吹き出して、そして爆笑した。「はは」と声を出して、笑っている。
無邪気な顔で、無防備に。