静穏総長も、時には激しく愛したい
「澪音は俺のものって、純白にも他の奴らにも……見せびらかしたかったんだ」
「――っっ」
今まで見たことない、奏さんの悔しそうな顔。
穏やかとか、静かとか。
そんなものは、一切取っ払っていて……。
あとに浮かぶのは、照れてるのか恥じらっているのか、それとも興奮しているのか――それらが複雑に混ざった、火照った頬。
「澪音、こっち向いて」
「や、あ、あの……っ! ここ奏さんのお家ですよね⁉ お家の人とか、」
「いない。追い出した」
「(追い出した⁉)」
すると「今日は誰にも邪魔されたくなかったんだ」と、奏さんのか細い声が聞こえる。
そうか、私と二人きりになりたくて、今だけ家族の人に出て行ってもらってるんだ……。