静穏総長も、時には激しく愛したい
「今まで一緒にいられなかった分、もう離さない。今まで泣かせた分、今度は笑わせる。
だから……ずっと俺と一緒にいて、澪音」
「……はいっ」
奏さんの首に腕を回し、キスをする。その際、私が無防備になった瞬間を、奏さんは逃さなかった。
「ひゃうっ⁉」
ビクン――体がのけぞる。
だって、だって……!
奏さんの手が、いつの間にか私の……っ!
下着越しからだとは言え、心臓あたりを触られると……その先のことを想像してしまう。
「か、奏さ、そこは……っ」
「”もっと”。そう言ったのは澪音だよ」
「っ~あぁ、」
まるで「澪音の願いを叶えてあげる」と言わんばかりのズルい言い方に、少しだけムカッ。
だけど敏感な所を触られて……怒りの風船が、一気にしぼんでいく。
というか、考える余裕がない。
体が熱い。奏さんからの視線も吐息も、まるで湯気が出そうなほど熱を帯びていて……体がどんどんのぼせていく。