静穏総長も、時には激しく愛したい

「……でも」



ふと、さっきの野性的な奏さんを思い出す。



「ケジメを気にする人が、誰もいない家に彼女を連れ込んでいいんですか?」

「う……。一応、最後までしなかったから……セーフかと」

「(本当に”一応”でしたけどね!)」



さっきのギリギリの状況が「セーフ」なら……アウトと呼ばれる日、私は一体どうなるんだろう。

さっきも精一杯だったのに……っ!



「……~っ」

「澪音」


ギュッ


先の事を想像して怖気づいた私を悟ったのか……奏さんが手を握ってくれた。



「……澪音のご両親が認めてくれるまでは、最後までしないから」

「それも……ケジメですか?」

「というか、俺がイヤ」



そういうものなの?と首を傾げる私を見て、奏さんは笑った。

「でもね」と、怪しい笑みを浮かべながら。
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