静穏総長も、時には激しく愛したい
「(あ~もう!)」



頑張ったね、って褒めてほしいのか。
大丈夫だよ、って励ましてあげればいいのか。
辛かったね、って慰めてあげればいいのか――

この蒼羽を目の前にすると、何も分からなくなる。


こんな時は――


ギュッ、そして、ちゅっ



「今……キスした?」

「したよ。だって蒼羽うるさいんだもん。だから、口をふさぎました」

「……」



ビシッと言うと、蒼羽の肩がシュンと下がる。

あ、しょげちゃったかな……?



「私が好きなのは蒼羽。蒼羽だけ。だから不安にならなくて良んだよ?」

「……わかった」

「うん」



頭を撫でていると、しばらくして、規則正しい寝息が聞こえた。

あ、疲れて寝ちゃったんだ。
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