静穏総長も、時には激しく愛したい
生吹・一輝
*一輝*
「半年後に、総長を辞めて族を抜けようと思う」
「半年……卒業式がある月だな」
「幕を閉じるにはぴったりの日だろ?」
そう言ってニッと笑った生吹。
その顔を見て「これは本心で言ってるな」って、すぐに分かった。
「そんな大事なこと、昼めし食べながら言うことじゃなくね?」
「別に改まっていう事じゃないだろ。お互い食べてるのパンだし」
「(いや、”パンだし”ってなんだよ)」
全国を統一した【月光】だぞ?
その総長を三年間勤めてきた奴が、菓子パン食べながら「卒業する」じゃダメだろ。
「それ、他の奴らには?」