静穏総長も、時には激しく愛したい
「別に。養子縁組の話は、ひかりにとっても澪音にとってもいい話だと思ったから若桜に勧めただけだ。他意はない。お前に不利益がいかなかったのも偶然だ」
「とか言っちゃってさ~」
まるで「素直じゃないんだから」と言いたげな純弥に、向かい合っていた生吹が背中を見せる。
「……意地みたいなもんだ」
「意地?」
生吹は苦い顔を浮かべる。
「夕暮と決闘になる直前、お前が言っただろ」
――どうしようもない後輩に、賭けてみたいんだ。二年前、美月をお前に託したみたいに。可愛い後輩に、命運を任せるとするよ
――俺のこと”可愛い”なんて思ってるのか、白いの。……ムリ、吐きそうだ
「言ったけど、それが?」
ポカンとした顔をした純弥に、生吹の鋭い視線が刺さる。
「とか言っちゃってさ~」
まるで「素直じゃないんだから」と言いたげな純弥に、向かい合っていた生吹が背中を見せる。
「……意地みたいなもんだ」
「意地?」
生吹は苦い顔を浮かべる。
「夕暮と決闘になる直前、お前が言っただろ」
――どうしようもない後輩に、賭けてみたいんだ。二年前、美月をお前に託したみたいに。可愛い後輩に、命運を任せるとするよ
――俺のこと”可愛い”なんて思ってるのか、白いの。……ムリ、吐きそうだ
「言ったけど、それが?」
ポカンとした顔をした純弥に、生吹の鋭い視線が刺さる。