静穏総長も、時には激しく愛したい
お父さんは、すぐにでも身辺調査出来るほどの人脈を持っている。データベースは潤沢だ。
とはいえ……今、本人の目の前で「落第」と言わんばかりの対応をしなくったって! 奏さんに失礼すぎる!
「俺は澪音さんにつり合う男になるために、今努力をしているところです。俺の覚悟がウソではなく、本気だと知っていただきたい。お話しだけでも、聞いてもらえませんか?」
「……ならば、こうしよう」
と言ったのが、お父さん。
「今日からこの家で住み込みで働きなさい」
「え?」
「お父さん⁉」
「仕事をきちんとすれば、勤務時間以外は澪音と会っていい」
「……」
「お父さんっ!」
なんて優しいお父さん!
そんなの、奏さんと愛をはぐくめって言ってるようなもんじゃん!