静穏総長も、時には激しく愛したい

「……ひかり、わざと見せつけてるな? これが終わったら覚えておけよ」

「――”千秋さんは族に逆戻りした”って、お父さんに言わなきゃ……」



ボソッと独り言をつぶやいたひかりに、奏さんは渋々あやまる。「悪かった」と。



「ここじゃ言葉遣いまでも制限されるのか……」

「――……くすっ」



奏さんが参ってる様子を見てほくそ笑んだひかり。私に「おやすみなさい」と、またギュッとだきついた。



「おやすみ、ひかり。もう最近は、うなされないの?」

「――……うん」



少しの間を置いて、答えたひかり。

すると奏さんが、



「もし夜に起きて暇だったら、俺のところに来たらいい」

「――え?」
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