静穏総長も、時には激しく愛したい

「あんた、名前は?」



もしかしたら、この女は他の族と繋がっているかもしれない=元カレからではなく、暴走族からの襲撃にあったのでは?と。

そんな推理をしていた俺に、女はふっと笑った。

そして――



「私の名前は、真白(ましろ)。

あなた達、暴走族でしょ? なら――明日も、私がいる病院へ来て。話したいことがあるの」

「……それは、暴走族の事で?」

「ソレを含め、色々」



言い終わると、疲れてしまったのか、女は目を瞑る。そして、何も話さなくなってしまった。

ただ寝ているだけなのか、それとも気を失っているのか。判断がつかない。



「睦、とりあえず病院へ急ごう」

「あいっす」



そして俺たちは、周辺を気にしながら病院へ向かう。

深手を負っていた女は「明日も私がいる病院へ来て」と言った予言通り、そのまま入院となった。
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