静穏総長も、時には激しく愛したい

そんな病院からの帰り道。

睦は、ポツリと俺に言った。



「総長、気をつけてくださいね」

「………何に」

「そりゃ、あの女にっすよ」

「……」



眉間に皺を寄せる睦。

だけど俺は――


あの女ではなく、もっと他の異分子が不穏な種を蒔きながら近づいてるのではないかと。

そんな事を思った。





ガラッ



「あ、やっと来た」

「……は?」



次の日。


俺は言われた通り、女が入院する病院へ来た。急を要する事だったらいけないと思って、わざわざ学校をサボって、朝から。


すると、飛び込んで来る変な景色。


見ると、指定された病室に、昨日の白い女の姿はなく。全身白いジャージを着た男が、ベッドに転がっていたからだ。
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