静穏総長も、時には激しく愛したい

「君は【青翠】の総長だね? 確か、今の”三位候補”だ」

「! どうして、それを」

「うん。だって僕も、昔は総長だったからね。後輩に託したけど、まだ族の事には関心があるんだよ」

「昔、総長だった……?」



すると、男は頷いた。



「僕の名前は純白 純弥(じゅんぱく じゅんや)。昔、暴走族【Luna】と【Moon】の総長をしていた。

とある事情があって、時々”真白”という女の子に扮している。そして真白は――

【月光】の総長・春風生吹と、不本意だが話をする仲だ」

「え、」

「その春風生吹を恨む人物が、最近また現れた。名前を、夕暮新太という。

この意味――君なら分かるでしょ?」



ニッと、男は怪しい笑みを浮かべた。

俺は頭の中で、男が言った言葉を整理する。そして、答えが出た。

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