静穏総長も、時には激しく愛したい
「うん。君の顔が夕暮新太に割れた以上、君も気を付けることだ。

君の周りに女性はいない? 次に襲撃されるのは、その子かもしれないよ?」

「!」



思わず、本能が反応する。

すると地面にベッタリ着いていた足の指に、まんべんなく力が入った。ビクッと、まるで驚いたように。まるで身構えたように。



「それを伝えたくて”今日ここに来るように”と言ったんだ。

そもそも君は、夕暮新太から”三位の席”を奪った者として敵視されている可能性もある。だから、充分に注意してね」

「……わかった」



変わらずにこやかに話す男に対し、俺は眉間にシワを寄せる。

そして「忠告に感謝する」と、男の病室を後にした。そのまま学校へ行くため、一人で道を歩く。
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